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【高校】科学部地学班 学会の巡検会に参加

令和5年度熊本地学巡検会第3回

地学班は、令和5年10月29日に行われた巡検会に参加した。

巡検のテーマは、「熊本地震の痕跡をたどる」であり、益城町の赤井、平田、田中地区、そして、南阿蘇市にある震災遺構ミュージアムを見学した。

1 益城町赤井火山

熊本市の地下水を貯水している、砥川溶岩を噴出した赤井火山の火口付近を観察した。

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高さ30mほどの火口壁にある日枝神社

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戦時中は、防空壕として利用されていた

火口から周囲にドーナツ状に噴出した、赤や黒のスコリアを観察できた。

 

2 益城町赤井のそうめん滝の観察

スコリア丘の一部が低くなり、その外側では、そうめん滝とよばれる湧水が見られた。

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そうめん滝

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湧水する様子

これにより、布田川断層帯の断層の一部が赤井火山のスコリア丘の火口壁を横切っているのではないかと考えられる。

  

3 益城町平田地区で見られる熊本地震の痕跡

平田地区の布田川断層震災遺構では、道路、桜の幹、谷や川の屈曲、消防小屋、フェンスと植え込みにより、右横ずれ断層を観察できた。

また、滝桜の畑では、トレンチが掘られており、壽徳寺(じゅとくじ)で保管されている。

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消防小屋

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消防小屋の横(右横ずれの様子が分かる)

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フェンスと植え込み(右横ずれの様子が分かる)

 

4 益城町田中地区のトレンチ等見学

東北大学と熊本大学の共同研究でトレンチが掘られている。

地震前の掘削調査と同じ地点の断層を、地震後に再び掘って調べるのは、世界では米国、ニュージーランドに次いで3例目となり、国内では初。地震前後で、同じ地点の断層のはぎ取り標本を比較する研究は世界でも初めてになるという。

これまでの調査で、掘削した地点の断層には熊本地震前に比べて30~50センチほどのずれが生じていることが確認できたという。

トレンチ、草、畑わきの排水管で右横ずれした様子が分かる。

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断層トレンチの全景

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断層トレンチの様子(断層により熊本地震でずれているのが分かる)

 

5 熊本地震 震災遺構ミュージアム KIOKU

震災遺構となっている東海大学の旧農学部キャンパスと、地表地震断層を見ることができた。

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地表地震断層の様子

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校舎に断層による亀裂が見られる

また、KIOKUでは、熊本地震や断層、熊本地震のメカニズムを展示資料や映像、模型などから学ぶことができた。

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断層について学ぶ様子

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ロビン像の前にて記念写真撮影

探究週間に大変有意義な地域探究ができました。

優しく教えてくださった熊本地学会や講師の先生方、ありがとうございました。

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